何が半分になるのか
ビットコインのネットワークでは、取引記録をまとめて新しいブロックを作ったマイナーに報酬が与えられます。報酬は二つの部分からなります。一つはそのブロックで新たに生まれるビットコイン、もう一つはブロックに含まれる取引が支払った手数料です。半減期で半分になるのは前者、新規発行分だけです。取引手数料は半減期とは関係なく、そのときのネットワークの混み具合で決まります。
- ブロック報酬=新規発行分+取引手数料
- 半減期で減るのは新規発行分
- 手数料はネットワークの混雑度で変わる
新たに発行されるビットコインは21万ブロックごとに半分になります。このルールの決まり方と影響する範囲を、仕組みに絞って整理しました。
ビットコインのネットワークでは、取引記録をまとめて新しいブロックを作ったマイナーに報酬が与えられます。報酬は二つの部分からなります。一つはそのブロックで新たに生まれるビットコイン、もう一つはブロックに含まれる取引が支払った手数料です。半減期で半分になるのは前者、新規発行分だけです。取引手数料は半減期とは関係なく、そのときのネットワークの混み具合で決まります。
半減のタイミングは日付ではなくブロック番号で決まっています。ブロックが21万個積まれるたびに新規発行分が半分になります。ネットワークは2,016ブロックごとに採掘難易度を調整し、一つのブロックが平均10分ほどで作られるようにしています。21万ブロックに10分を掛けると約4年になるため、半減期は4年周期だといわれます。実際のブロック間隔は少しずつずれるので、正確な日付は近づいてから分かります。
ビットコインは2009年、1ブロックあたり50枚の発行で始まりました。最初の半減期は2012年で25枚に、2回目は2016年で12.5枚に、3回目は2020年で6.25枚になりました。4回目は2024年4月、84万番目のブロックで起き、3.125枚になりました。次の半減期は105万番目のブロックで予定されています。
報酬が一定の間隔で半分ずつ減っていくと、発行量の合計はある値に近づき、それ以上は増えません。最初の21万ブロックで50枚ずつなら1,050万枚、その後は区間ごとに前の半分ずつが加わるので、全体は2,100万枚に近づきます。ビットコインは1億分の1の単位までしか分けられないため、半減を重ねて報酬がこの単位より小さくなった時点で新規発行は止まります。その時期は2140年ごろと見込まれ、すでに全体の大半が発行済みです。
半減期の直後、マイナーの収入のうち新規発行分が一度に半分になります。電気代や設備費の高いマイナーは採算が合わなくなって機械を止めることがあり、するとネットワーク全体の計算能力であるハッシュレートが下がります。ハッシュレートが下がるとブロック間隔が一時的に長くなりますが、次の難易度調整で難易度が下がり、10分間隔に戻ります。新規発行分が減り続ける以上、ネットワークの安全を支える採掘収入を手数料がどこまで補えるかは、今も議論が続く問題です。
半減期はいつも価格見通しとセットで語られますが、この記事は価格を予想しません。半減のスケジュールは最初から公開されている情報で、これまでの事例は4回しかなく、統計と呼ぶには足りません。各半減期の前後で、金利や規制、市場参加者の顔ぶれも毎回違っていました。過去の値動きを半減期に合わせて説明する話がなぜ実際以上にもっともらしく聞こえるのかは、「サイクルという説明が果たしていること」の記事で別に扱っています。
半減期をめぐる話には、仕組みを取り違えたものが混じっています。半減期でビットコインの供給量そのものが減るわけではなく、新たに増える速さが落ちるだけです。すべての暗号資産に半減期があるわけでもなく、発行ルールはコインごとに異なります。半減のタイミングはブロック番号で決まるので特定の日付に固定されてはおらず、半減期が採掘の終わりを意味するわけでもありません。
次の半減期までの残り時間は、誰でも自分で計算できます。ブロックエクスプローラーで現在のブロック番号を調べ、105万からその値を引いて10分を掛ければ、おおよその残り時間が出ます。残りのブロックが多いほど、実際の日付と計算値の差は大きくなりえます。この記事は発行ルールの仕組みを説明するだけで、価格予想や投資助言ではありません。
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